初心者のためのFirebase Messaging活用ガイド #1 対象ユーザーの設定

初心者のためのFirebase Messaging活用ガイド #1 対象ユーザーの設定

Clock Icon2024.02.06

FirebaseのMessaging機能について意外と世の中に記事がないので、運用してきたノウハウをまとめていきます。今日は配信条件設定についてです。Messagingとは、Firebase上のコンソールからプッシュ通知やアプリ内ダイアログを表示できる機能です。基本的な概念から知りたい方は弊社のゆっこが書いているFirebaseの「In-App Messaging」を使ってアプリにダイアログを表示させる方法をお読みください。

Messagingの機能では通知(プッシュ通知)とIn-App-Messaging(アプリ内ダイアログ)があります。共通点が多いのでIn-App-Messagingで説明しながら通知特有の注意点は補足します。

対象ユーザーの設定

対象ユーザーとは、プッシュ通知やIn-App-Messagingを”誰に"送るかを設定するところです。これとは別に"いつ"送るかを設定する場所もあります。「対象ユーザー」というところで配信先のアプリやセグメントを決めます。

対象ユーザーの設定で必須なのは「アプリ」です。それ以外は+αで設定します。

アプリ

まず最初にやるのはアプリの指定です。こちらはMessageを送るFirebaseプロジェクト内のアプリが表示されます。「アプリを選択」から対象のアプリを選びますが、In-App-Messagingは1つの施策登録で1つのアプリしか選べない仕様です。iOSとAndroid両方に同じ施策を送りたい時などは、一度iOSかAndroidで施策登録したものを複製して対象アプリをもう一つのアプリにする必要があります。

通知の方は複数のアプリが選べるので、一度の施策登録でiOSとAndroid両方に配信できます。

バージョン

施策を配信するアプリのバージョンを指定できます。これまでリリースしたアプリのバージョンが自動で選択肢に出てきます。自分が配信したいバージョンを選んでそのバージョンに配信したり、特定のバージョン以上や以下に配信したりできます。

以下のような使い方ができます。

  • 特定のバージョン以上に実装されている施策の告知を配信
  • 特定のバージョン以下の人に向けたアップデート促進を配信

言語,国/地域

施策を配信するアプリの言語や国/地域を指定できます。日本だけに配信しているアプリの場合は特別指定したい場合を除いて設定不要です。アプリに合わせて自動で選択肢が出てくるので、必要に合わせて選びます。

以下のような使い方ができます。

  • 日本だけに配信する
  • アプリが英語設定になっている端末だけ配信しない

ユーザーオーディエンス

Firebaseにはオーディエンスという機能があり、そちらの機能を使って集めたユーザーのリストを指定できます。利用する場合はオーディエンス機能を事前に使ってリストを作っておく必要があります。

オーディエンスは、Messagingのコンソールよりも詳しい指定をしたい時に使います。例えばMessasingのコンソール上では「特定のイベントが2回以上実施された人」という指定はできませんが、オーディエンスで事前にそういったユーザーのリストを作っておけば指定が可能です。設定の方法は色々とあるのでいずれ説明できればと思います。これからMessaging機能を使いこなしていくと言う方はこちらの機能はひとまず置いといて、Messaging配信画面上の設定でできる範囲の配信をおすすめします。

対象のオーディエンスは複数指定できます。オーディエンスを作るという前提ですが、以下のような使い方ができます。

  • Aのイベントを1週間以内に3回実行した人に配信する
  • 最後にBのイベントを実行したのが3日前の人に配信する

ユーザープロパティ

Firebaseにはユーザープロパティという機能があり、アプリの開発をすればユーザーごとに属性を付与できます。例えば会員状態というユーザープロパティがあったとして、ユーザーの状態に応じて「有料会員」「無料会員」などの属性を付与することができます。フラグをつけているイメージです。

これらのフラグはMessageの配信に利用できます。先ほどの例で言うと、「有料会員だけに配信」という指定ができます。ユーザープロパティは複数指定できるので、いくつかのユーザープロパティを組み合わせてユーザーを絞り込み可能です。開発さえすれば以下のような使い方ができます。

  • 有料会員でiOSの人に配信
  • 無料会員でAの設定をONにしている人に配信

初回起動

初回起動を起点として、n日前より大きいか小さいか、日付の範囲かを指定できます。少しわかりにくいので以下の具体例をみてください。ポイントは「〜より小さい」「〜より大きい」なので指定する数字を含まないことです。以上,以下ではないことに注意してください。

  • 初回起動日から数えて2日以上たったユーザー
    • 初回起動 次より大きい 1 日前
  • 初回起動日から数えて2日以内のユーザー
    • 初回起動 次より小さい 3 日前

以下のような使い方ができます。

  • 初回起動から2日以上たったユーザーに便利な機能を訴求する
  • 初回起動から2日以内のユーザに活用促進の特典を配信

前回のアプリエンゲージメント

アプリエンゲージメントとは、アプリ利用のことです。ユーザーがアプリを利用した日を起点として、n日前より大きいか小さいか、日付の範囲かを指定指定できます。考え方としては初回起動と同じです。こちらも少しわかりにくいので具体例をみてください。

  • 前回のアプリ利用から7日以上たったユーザー
    • 前回のアプリエンゲージメント 次より大きい 6 日前
  • 前回のアプリ利用から7日以内のユーザー
    • 前回のアプリエンゲージメント 次より小さい 8 日前

以下のような使い方ができます。

  • アプリを利用しなくなってから1週間以上たったユーザーにアプリの起動を促す通知を配信
  • アプリの利用を始めてから1週間以内のユーザーにアプリの活用方法をまとめた記事を配信

有効な条件かチェックする方法

潜在的ユーザーのどれくらいが今回の配信の対象になるか概算がチェックできます。過去7日間にアクセスしたユーザーを元に予測した数値なのであくまで参考値です。

対象ユーザーが100以下の場合は「100人未満」と表示されます。明らかに想定していた数値よりも少ない場合は設定の見直しや、そもそも配信をするかの見直しをおすすめします。

さいごに

FirebaseのMessaging機能はノウハウが全然公開されていないのでまとめてみました。わかりにくい設定も多いのでシリーズにできたらいいなと思います。

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